きみのとなり
「…っ…ぃ…いいっ…ケホッ!」
胸をドンドンと叩きながら、鈴木君は私が差し出したハンカチを拒否した。
「でも…」
私は前を向く鈴木君をこちらに向かせようと肩に手を置いた。
「ぃ…いいから!大丈夫だから!…こっち見んな…!」
見んな…と鈴木君が言った瞬間に、私は鈴木君を無理矢理こちらへ向かせていた。
「っ~~…」
「………」
……鈴木君の顔が、真っ赤だった。
「だから…見んなって言ったのに…」
「……うん……ごめん…」
私も恥ずかしくなってつい、下を向いた。
「……あ…ちょっとごめん」
鈴木君のポケットで携帯が鳴った。
グッドタイミング…
「…ハァァ!?」
「?」
携帯を開いた鈴木君は、突然画面に向かって叫んだ。
「どうしたの?」
私は気になって、ひょこっと鈴木君の携帯画面を覗き込んだ。