きみのとなり
鈴木君の携帯画面にあったのは…
『みぃたんと一緒に帰ればいいと思う(゜∇゜)』
「……田中だ…」
「……ふふふ…」
鈴木君は田中君のメールに苦笑い。
私は、恥ずかしいはずなのに思わず笑いが込み上げてきた。
「ふふふっ…あはっ!」
「……何!?」
「ううんっ…面白い…ふふ…!」
顔を赤くした鈴木君は照れ臭そうに私を見た。
「…どうする?」
そして、ふぅと息をはいて言った。
「…もうみんな帰っちゃったんじゃない?一緒に帰ろうよ」
私はクスクスと笑って言った。
「いいの?」
「うん。帰ろう」
私は鈴木君に笑顔を向けた。
「………いつもみたいに…」
「…え?」
歩き始めた私に、鈴木君は何かを言いかけた。
「…何でいつもみたいに感情を出さないの?」
「………」
「俺、いつも感情のままに動いてるの知ってるよ。石川先輩が中学にいた時も…上級生の女子が睨んでるの見てはらはらしてたけど、上原はそんなの全く気にしないで…」
鈴木君は真っ直ぐに私を見つめた。