きみのとなり


帰り道。



鈴木君はマンションまで私を送ってくれた。



マンションの前に着いた時、空はうっすらとオレンジ色になっていた。




「今日はありがと。何か…色々?」



「ははっ、気にしないで」




鈴木君はニッコリと微笑んだ。



「…それじゃ、また」



「うん…ありがとう。またね」



私は微笑む鈴木君に笑顔を向けた。



鈴木君も相変わらずの笑顔で、そしてクルッと私に背中を向けた。




私も帰ろう。



鈴木君を最後まで見送らずに、マンションへ歩き出した時……



「待って!」



「え…わっ」




な……に…?




「俺…」



一瞬どころじゃない。



今も良くわからない。




私…




鈴木君の……腕の中に…いる……






< 134 / 338 >

この作品をシェア

pagetop