きみのとなり
帰り道。
鈴木君はマンションまで私を送ってくれた。
マンションの前に着いた時、空はうっすらとオレンジ色になっていた。
「今日はありがと。何か…色々?」
「ははっ、気にしないで」
鈴木君はニッコリと微笑んだ。
「…それじゃ、また」
「うん…ありがとう。またね」
私は微笑む鈴木君に笑顔を向けた。
鈴木君も相変わらずの笑顔で、そしてクルッと私に背中を向けた。
私も帰ろう。
鈴木君を最後まで見送らずに、マンションへ歩き出した時……
「待って!」
「え…わっ」
な……に…?
「俺…」
一瞬どころじゃない。
今も良くわからない。
私…
鈴木君の……腕の中に…いる……