きみのとなり


少しの沈黙が続いた。



「……うん…」



それを破ったのは鈴木君で…



顔を上げると、鈴木君はやっぱり辛そうな顔をしていた。




「…じゃあさ…これだけは、いい?」



「…な…に?」



私はグスッと鼻をすすって返事をした。




「…好きでいさせて貰ってもいい?それだけ」



「……うん」



鈴木君と自分が…重なって見えた。




鈴木君が私の立場で



私が拓ちゃんの立場……



鈴木君の気持ち、わかるのに…



「はは!よかった!」



こんなにいい人いないのに…



「じゃあ、ごめんな!また!」


「うん…またね」




何で私は……




拓ちゃんじゃなきゃダメなんだろう…




私はぼーっとしながら去って行く鈴木君の背中に手を振り続けた。




「…ん?」



だけど…



去って行ったはずの鈴木君が、なぜかまたこっちに向かって来たんだ。




「っ…ハァ…上原!」



「はい!!」



思わず大声を出してしまう。






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