きみのとなり


私はずるい




拓ちゃんを諦めるのか


鈴木君を選ぶのか



はっきりしないで…



鈴木君の優しさに甘えてる。




私は……ずるい…




「上原?」



「…え……」




鈴木君に呼ばれて気付いた。



そうだ。



今は鈴木君と帰ってる途中だった…




「何か考えてたの?めずらしく」



「…めずらしくって!私だって考えごとくらいするよ!!」



「ぷっ…あはは!やっといつもの上原になった…」



「……あ…」




そうか…



鈴木君はずっと気にしてくれてたんだ。




そうか……




「あ…もうここでいいよ。まだ明るいから」



「そ?……うん、じゃあ…バイバイ」



「す…鈴木君のおかげで…楽しかったよ!今日はありがとう…バイバイ!!」



「ん…」




鈴木君は軽く手を振って私に背中を向けた。




「……あれ?」




おかしい…




私……




涙が止まらない。




「っ…」



あれ?



おかしいよ…







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