きみのとなり
この胸のザワザワは何か考える。
「…っ……」
鈴木君の笑顔が……
頭に浮かぶ。
「…っ…鈴木君…」
私……
「寂しいよ…」
鈴木君……
あのね…
今はね……
「…上原!!」
「!?」
涙を流しながら、鈴木君と別れた場所で突っ立っていたら
帰ったはずの鈴木君が、このあいだみたいに
走って戻ってくるのが見えた。
「え……」
彼は、私の前まで来ると私の手を握って笑った。
「鈴木君…どうして…戻ってきたの…?」
「ハァ…ハァ…っ…ごめん…ハァ…ほうっておけなかった…」
「…どうして……」
鈴木君の言葉に、また涙が出てくる。
「今日こそは振り向かずに帰ろうって思ったんだ。上原のこと、諦められなくなるから……けど…俺…振り向いちゃって…」
鈴木君は切れる息を整えながら、丁寧に言葉を発していく。
「…上原が、泣いてたから」
「っ…」