きみのとなり
鈴木君…
優し過ぎるよ…
痛いくらいに…鈴木君の優しさが
私に注がれているのがわかる。
「私…フッたのに…」
「うん…フラれた」
「酷いじゃんっ…!」
「…そうかな?」
「っ…そう…だよ…!」
私はせめて、泣き顔だけは見られたくなくて
唇をキュッと結んで俯いた。
「上原……俺……」
鈴木がそんな私を、優しく抱きしめた。
いいのかな…
こんなに鈴木君に甘えて…
でも……私…
「…あら?未来?」
「……?」
突然声がして、私はゆっくりと俯いていた顔をあげた。
「…あ…お母さん……と、お父さん…」
やばい…
「…今帰りなの?お母さんね、お父さんとお買い物に行ってたの。ね?お父さん?」
お母さんは笑顔でそう言うけど、私と鈴木君は頭が混乱してて
抱きしめ合ってるなんて忘れていた。
「お父さん、荷物重いから早く行きましょ?ほら!」
お母さんは苦笑いを浮かべながら呆然としているお父さんを引っ張った
けど……