きみのとなり
「君達は受験生でもあるんだよ?それなのに、こんな時間にあんなことして」
ぐちぐち
がみがみ
お父さんは私よりも酷く鈴木君に説教をしている。
途中で鈴木君が何かを言おうとしても、有無を言わせない。
お母さんにも
鈴木君にも
何も言わせない。
そんなお父さんに、私は段々とイライラしてきて…
気付いたら…
「ちょっと!!もうやめてよ!!」
「未来?」
お父さんの腕を強く掴んでいた。
「理由もなんっにも聞かないなんて最悪!!鈴木君は……私が、元気なかったから…今日は誘ってくれたし…それに、それに鈴木君は」
「上原」
私がお父さんに大声で抗議していたところに、すっと鈴木君の手がのびてきた。
「…大丈夫だよ。もう帰るから」
「っでも!」
鈴木君はフッと笑うと、お父さんとお母さんに丁寧に頭を下げた。
「すみませんでした。こんな時間まで」
そう謝ると、彼は私に「じゃ」とだけ言って帰って行った。
「鈴木君!!」
呼んでも今度は振り向いてくれなかった。