きみのとなり
これじゃあ、焦ってることがバレバレだ。
隠し事が下手くそ。
私の悪い癖…
「…未来」
「………あ…ご、めん…」
私は倒したイスを起こして座り直し、梢に向き合った。
「ごめん… 何か、私……ごめん…」
「…ごめんね。からかいすぎた。何か…あった?」
梢は困った顔で笑った。
「……わ…たし…」
「うん…」
「……」
キーンコーンカーンコーンーー
「チャイム、鳴っちゃった。未来、放課後話聞く。話せる?」
私は梢に向かって頷いた。
ちゃんと話せるだろうか…
今の、気持ち…
私は先生が話すことなんか聞かずに、ギュッと手を握りしめて俯いた。