きみのとなり


放課後。



掃除も終わって、私と梢は二人だけ教室に残っていた。




勉強するひとは用意された自習室か図書室に行っていて、本当に二人だけ。




「放課後になると寒くなるねぇ!あたし寒いの嫌い~!」



「あはは…私も…」



梢がせっかく明るく話してくれてるのに私はどうしてもうまく笑えない。




「……未来、話したくなかったらいいよ?無理に言えなんて言わないし…そりゃあ、言ってくれたら嬉しいけどさ…」



梢は立ち上がると、窓の外を眺めながら笑って言った。



「……梢…」



「ん?」



「…聞いてくれる?」




梢に言えば、すっきりする気がして



私はじわじわと出てきた涙を目に溜めながら、梢を見た。



「うん。聞くよ。ちゃんと聞く」



梢は優しく微笑んでくれた。






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