きみのとなり
「なんて言うんだろ……うーん…とにかく…鈴木に甘えても仕方ないと思う」
梢は真剣な顔で言った。
「…でも…」
「とにかく!私からはこれしか言えない。決めるのは“未来”なんだから」
私は何も言えなくなった。
「…帰ろ」
「うん…」
決めるのは私…
確かにそうだ。
『自分から触るのは平気でも、触られるのは嫌なのな』ーー
「……」
拓ちゃんの中に……
私への恋愛感情は
“0”だ。
きっと…
鈴木君は、ひたむきに私を見てくれて
そばにいてくれて……
「未来」
「…え?」
リュックを持って廊下に出たとき、先に教室を出た梢が前を向いたまま、私を呼んだ。
「あのね、未来」
「うん?どうしたの?」
「私…思うんだけど…」
「へ?何を?」
私はクスクスと笑いながらそう尋ねた。