きみのとなり


今日の梢はいつになく真剣だから、ちょっと笑っちゃう。




「笑わないでよー!私なりに真剣に考えたの!」



「ごめんごめん!」



「もう…」



そう言うと梢が歩き出したので、私は梢に駆け寄って横を歩いた。




「石川先輩」



「へ…」



石川?



「……拓ちゃん?」



「うん…」



拓ちゃんが?




「私……未来の話とか聞いたり、石川先輩の行動見たりしてるともしかしてって思うって言ったでしょ?思わせぶりって」



「ああ…うん…」



「私…思わせぶりというか、石川先輩ってやっぱり、未来のこと…」



「ないよ」



「え?」




私はフッと笑った。



「拓ちゃんが私を?ないよ絶対… 拓ちゃんの中に、私を恋愛対象として見てる気持ちはカケラもないよ」



「何で、そう思うの?」



梢は眉を下げた。




「んー?」



何で?




そんなの、聞かないでよ



梢……



言ってて悲しくなるじゃない




「…未来はかわいいし、いい子だし、現に鈴木は…」



「だって!!」



私は思いっきり叫んだ。





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