きみのとなり


「んっもう!とぉまぁ~」



田中君が甘ったる声を出す。



「朝からなんだよ。キモい」



「またまたぁ~…なぁ?なんでいつもより教室がざわついてるかわかる?」



「知らね」




鈴木君は興味なさそうに言うと、自分の席に向かって歩き出す。





だけど…




「みぃたんと!最近仲いいじゃん!付き合ったのぉ!?」



という、私も目が点になるような田中君の言葉で鈴木君はピタリと歩くのを止めた。




「…梢……」



意味わかんない…



なんで…



「…あのね、未来、こないだ二人が一緒に歩いてるところを誰かが見たらしくて、噂になってるの」




梢は困ったように言った。




「………」



私は黙るしかできなかった。



だって、まだ…




決心とかついてないし



中途半端な気持ちだし



自分でもグチャグチャなのに…



「…っ……」



「未来…」



泣き出した私の肩を、梢はそっと抱いてくれた。






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