きみのとなり


帰り道、私は一人でトボトボと歩いていた。



梢に一緒に帰ろうと誘われたけれど、一人で考えたいからと言って謝って断った。




「………」



私は、どうしたい?



本当にグチャグチャしてて、わからない。




「ハァ」



立ち止まって、ため息をついて、足元に転がっている小石をチョンとつま先で蹴った。




何、してるんだろ。私…




私はもう一度ため息をついてから歩き出した。




そんなときだった。




私の後ろから、ぎゃあぎゃあと笑い合う声が近付いてくるのに気付いた。




人が悩んでるときに…



もう少し空気を読んで欲しい。



そう思って振り向いた。



「あ…」



そしたら……




「斗真!!待てよ!!テスト返せ!」



「嫌だね!早くジュース代よこさないとお前の赤点テスト、お前の母ちゃんに見せるからな!!」



「ダメだ!!それはダメ!」



「じゃあ早く…」




…鈴木君と田中君が仲良く鬼ごっこ?






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