きみのとなり
振り向いた私に気付いた鈴木君と田中君はピタリと動きを止めた。
「…あ…の……えと…」
私は、何を言おうとしているんだろう。
「みぃたん?」
田中君が首を傾げる。
「…あ…の……」
私は手をギュッと握りしめた。
「鈴…」
「じゃあな上原」
…え……?
「ちょ…え!?斗真!?おい!じゃあなって、みぃたんが!斗真!?」
鈴木君は、私が何か話そうとしてたこと…わかったはず。
それなのに…
“じゃあな”って…
「みぃたん…ごめんなぁ。また明日!」
田中君は呆れたように鈴木君を見てから私に謝って去って行った。
「うん…平気…」
鈴木君を追いかけて走って行った田中君には届かないのに、私はそう呟いた。