きみのとなり

今は



『俺の隣にいて』ーー




ずっと、鈴木君のその言葉がクルクルと頭の中を回ってる。




拓ちゃんが好き。




でも、鈴木君ともいたいの…



それはわがままだって、わかってる。




わかってるけど、止まらないの。




そう……



また今日も、ジレンマの嵐なの……





ピピピピッ!ーー




「未来!!おっきろー!!」



「ふぁ!?」



朝だ。



目覚ましの音とほぼ同時に、裕介が私の部屋のドアを開けた。



「うーん……裕介…あんたはデリカシーってものがなさすぎ…私だって女の子なの」



「知るか!!早く支度しろって!」



「するからぁ!ほら!行った行った!」




私はランドセルを背負った裕介をぐいぐいと押して部屋から追い出した。




「ハァァ」




あくびをしながら伸びをして制服を手にとった。




着替え終わって、窓を見る。



「……」



今日も、カーテンは開けない。



開けないよ。



「未来!!早く顔も洗ってご飯も食べないと!」



「はーい」




お母さんに急かされて、私は慌てて他の支度にかかった。





< 169 / 338 >

この作品をシェア

pagetop