きみのとなり
支度が遅くて、リビングで待ってた裕介にガミガミ言われた。
そのガミガミはマンションを出た今も続いている。
「まったく!未来は遅いんだよなぁ!」
「遅いって、まだ時間全然間に合うもん!」
「うるさいうるさい!とにかく未来はおっそいって…あんちゃん!」
「え?」
あんちゃん?
って…もしかして…
「あ、裕介君!」
「鈴木君!?」
何で?どうして?
「おっはよう!あんちゃん!」
「おはよ。上原も」
「おはよう…」
どうして、鈴木君が?
キャッキャッとはしゃぐ裕介と話していた鈴木君は、私の視線に気付き、ニコリと微笑んだ。
「何でって?」
「へ?」
鈴木君はクスクス笑う。
「…俺、彼氏でしょ?」
「…あ……」
「うん。だから、彼氏らしいことしようかなって」
顔が…熱い…
『彼氏らしいこと』
だって、なんだかフワフワしちゃう。
「上原」
「未来!行くぞ!」
「あ、うん」
私は熱い頬を手で冷やしながら、裕介と鈴木君について行った。