きみのとなり
行きたいよ。行きたいけど……
「…うん、行くよ」
私は二人に笑って答えた。
「ほらぁ!鈴木くぅ~ん?」
「あー、うっさい」
二人はまた言い合いを始める。
「……」
よかった…
バレてない。
本当はあまり行きたくないってことが。
だって、この週の日曜日は……
拓ちゃんの、サッカーの試合があって…
「………」
…バカ……
行かないし。
何考えて…
私は頭をブンブンと振ってさっきまで考えていたことを振り払った。
「未来?」
「どした?上原?」
二人が心配そうに私を見つめる。
「…あ…あはは!何でもないよ!」
私は明るく笑ってみせた。
「さっきから変だよー!」
そんなことを言う梢にごめんごめんと謝る。
ごめんね…
何でも、ないよ…