きみのとなり
「未来!早くしろよー」
「ごめんごめん!」
裕介がこんなに急かす理由がある。
それは……
「すっずきのあーんちゃーん!」
「おす。裕介君、上原」
そう。
鈴木君だ。
鈴木君は付き合ってから、こうやって毎日マンションまで迎えに来てくれる。
「おはよ」
私は笑顔で鈴木君にあいさつを返した。
「なぁなぁ!鈴木のあんちゃん!!今度バスケ教えてよ!サッカー教えるからさ!」
「うん。いいよ」
鈴木君は裕介のこともちゃんと面倒見てくれて、すっごくいい人。
ほんと……いい人すぎる…
「あ、上原」
「ん?」
「こないだ言ってた合宿、啓太も参加するって。めずらしいよなー」
「あはは!たしかに」
こんなに普通に過ごすの、久しぶりだ。
鈴木君が隣にいて、優しくて、私だけを見てくれる。
こんな幸せ、ないと思う。
……これで、いいんだよね?