きみのとなり
「こぉーら!!たーなーかぁぁぁぁぁ!!」
そう大声を出して走ってきたのは、もちろん梢。
「こんのっおバカ!!」
さっきまで振り回していたタオルで田中君の頭をバシッと叩いた。
「いってぇ~」
痛がる田中君を無視して梢は私に駆け寄った。
「どぉしたぁ~未来~」
梢だけでなく、私が泣いているのに気付いた女子が困った顔をしながら私の周りに群がった。
「田中サイテー」
「女の子泣かすとかまじナイ」
冷たい眼差しで女子達は田中君を眺めている。
「わー!ほんとごめん!!みぃた~ん!」
「うっさい田中。あっち行け!」
梢はキッと田中君を睨んだ。
「行きます行きます!!」
田中君は慌てて男子の方へと戻って行った。