きみのとなり
わからない
「田中君に悪いことしちゃったな。私…」
この日の帰り道、久しぶりに梢と二人きりで帰った。
「えぇ?田中?あー!いいのいいの!あいつは。あんなこと気にする奴じゃないよ!」
「うん…でも、田中君…私を元気づけようとしてくれたし、それに田中君は鈴木君の親友だから…はっきりしてない私のこと鈴木君のためにもどうにかしようとしたんだと思う」
私はハァとため息をついた。
「ねぇ、何したの?田中。未来が泣くなんて相当きたんでしょ?」
梢は眉間にシワを寄せながら私の顔を覗き込んだ。
「……拓ちゃん…」
「拓ちゃん…って…石川先輩?石川先輩となんか最近絡んでなくない?未来」
「うん…好きじゃないとかもう幼なじみでも何でもないとか言い聞かせてたよ。でも……」
でも………
「気が付くとまだ拓ちゃんのこと考えてる自分がいるの。鈴木君が悲しむからそんなこともちろん言えないし、拓ちゃんを見かけても見ないふりするしかないの」