きみのとなり


伝えなきゃ。



伝えなきゃ。




伝えなきゃいけない…



「っ…ハァ…ハァ…」



どこにいるんだろう…




こんなに走って…


どこにいるかも分からないのに。




「あ!電話!」



電話をかけようと、ポケットに手を突っ込む。




「…あれ…ない……あ!」



そうだ。



部屋に置いてきたんだ。




「ドジ~~…」



私はその場にしゃがみこんだ。



だいたい…突然なんだ私は。




何やってるんだろう。



「…帰ろう」



帰ってケーキを食べよう。



拓ちゃんちから貰ったっていうのがまた複雑だけど。




「ハァ」



ため息をついて立ち上がったときだった。




「上原?」



「え?」




呼ばれて振り返ると、そこは公園で



そして…




「鈴木君…」



さがしていた本人が現れた。




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