きみのとなり
「はい」
「ありがとう」
公園のベンチに座って、鈴木がくれたジュースを受け取った。
「びっくりした。帰って家で勉強してたら嫌になったから、公園にバスケしに来て、帰ろうと思ったら、上原がいた」
鈴木君はクスッと笑うと、ジュースの缶を空けて一口飲んだ。
「……あのね…鈴木君…」
「ん?」
「私、ちゃんと好きだよ鈴木君のこと」
私は鈴木君に貰ったジュースを両手でギュッと握った。
「だから…」
だから……
「わかってるよ」
「…え……」
「上原は不器用だからなぁ~。伝えるのが下手なんだなって、最初から知ってる」
鈴木君はそう言うと、ニッコリと笑って、私の頭を優しく撫でた。
「俺も好きだよ」
そしてそう言うと、唇にゆっくりと優しくキスを落とした。
これが私にとって幸せなことなんだ。
これでいい。
これでいいの。
分からないことなんて
あっちゃいけない。