きみのとなり
「先生も食べてるし!」
あははっと笑って、後ろの席からひょこっと顔を出したのは斗真君。
「あははっ!ね。何だかんだで先生も楽しんでるっていう!」
私は梢からもらったお菓子を斗真君に差し出した。
「お!サンキュ!」
斗真君はそれを嬉しそうに口に入れた。
「もぉ~!お二人さんやめてくださいな~!人前でイチャイチャするのは!」
田中君は今度は佐藤先生じゃなく、私達にちょっかいを出してきた。
「イチャイチャなんてしてねーよ」
「してた!」
「してねーよ!」
「いんや!してたね!」
二人は、してるしてないの言い合いを始めた。
私と梢はそれを見て、二人で笑った。
「うるさいぞー!お前ら4人だけだ騒いでるのは。周りを見なさい周りを。みんな参考書広げたりしてるだろ!」
ギャーギャー騒ぐ私達に、もらったお菓子を食べながら佐藤先生が言った。
「佐藤ちゃん、説得力なしだわ!」
田中君がブハッと吹き出して大笑いした。