きみのとなり


嘘。




ほんとはそんなことでダメだなんて言わないよ。



あのね、花火はね…




「未来ー、やろうよ。鈴木もやるんだよ?」



「…え」




ああ…



私…また…




「…うん、じゃあやる」



「まじ!?やったやった!!」



梢は鞄の中にある花火を全て出して並べて喜んだ。




「………」



私は黙ってその様子を見ていた。





ーー『未来!!花火やろーぜ!!』




『え~?花火って夏にやるんじゃないの?』



『余ったんだよ。もったいないだろ?ほら、行くぞ!』



『うーん』



『楽しいから!!』



『……』



『な?』



『……うん!!』ーー




秋なのに、花火だよ。




ねぇ…拓ちゃん。




拓ちゃんも、みんなも



おかしいよ。





< 201 / 338 >

この作品をシェア

pagetop