きみのとなり
それから、私は梢に着替えを持ってきてもらって
二人でお風呂へ向かった。
「何かあった?鈴木と」
私はお風呂のお湯で遊んでいた手を止めた。
「…あはは…押し倒された…」
思い出してまた泣けてきた。
『未来のは、そうじゃない』ーー
「あー泣くな泣くな!怖かったね、鈴木も男だからさ一応…」
梢はぽろぽろと涙を零す私を優しく撫でてくれた。
そして、タオルで涙を拭いてくれる。
「許してあげられない?」
「…っ…ちがっ」
「え?」
違うんだよ。
許すとかそんなんじゃないの。
確かに怖かった。
だけど、許すとか私は言えない。
「…ちがっ…の…」
「…未来」
「私が…」
私が悪いの。
どこかで……
ううん…どこかじゃない。
いつも頭の真ん中に拓ちゃんがいるから。
それを斗真君は気づいてた。
だから…
「私が悪いんだよ」