きみのとなり
「未来?どーしたの…」
部屋に着いて、私の肩をさすりながら梢が優しく言った。
「……私…最低だ」
「…鈴木とのこと?」
私はコクリと頷いた。
「拓ちゃんのことは避けるしかないの。でも…避けても頭の中にはいつも拓ちゃんがいて……」
泣きじゃくる私を、梢はギュッと抱きしめてくれた。
「…難しいね」
梢はただそう言って背中を優しくトントンと叩いた。
「未来…とりあえず、具合悪いって言って帰りなよ。気持ちの整理して、鈴木に謝ればいいから」
「…っ」
「佐藤先生が送ってくれるから大丈夫だよ。ね?」
「……うん」
梢があまりにも優しいから、私はまたぽろぽろと涙をこぼしてしまった。
「泣かない泣かない。心配いらないよ!大丈夫!」
「うん…」
梢に言われると本当に大丈夫だと思えるから不思議。
「じゃあ私、佐藤先生に言ってくるから帰りの支度しててね」
梢はそう言って部屋をでて行った。