きみのとなり
大丈夫
えっと…
まずは謝って…
それからそれから…
「あぁぁぁぁーー…緊張する」
私は学校の玄関に入る前に頭を抱えて叫んでいた。
周りの生徒達は私を避けて通っている。
「よしっ」
フゥーと大きく息を吸って一歩を踏み出した。
「………あ…」
どうしよう…
私は思わず立ち止まってしまった。
「えっと…まず謝って…それから………あぁぁぁぁーー…」
「…斗真君?」
「!?」
私は下駄箱の横でしゃがみ込む彼に話しかけた。
彼はビクリと肩を震わせてこちらに振り向いた。
「…あ…未来…」
私を見つけるとハッとした顔をして斗真君は立ち上がった。
「あ、あの…さ…」
「うん…」
斗真君が頭をガシガシとひっかいた。
「ごめん!!」
「…え」
「俺、石川先輩のこと…切らないでもいいなんて言ったのに…」
そこまで言うと斗真君はまた「ごめん」と謝った。