きみのとなり
胸がギュッと締め付けられた。
分かるの。
梢の気持ち。
すごくすごく分かる。
どんなことがあっても大好きなんだよ。
でも分かってくれないから…
「未来?」
「…へ」
私はハッとして斗真君を見た。
「ぼーっとしてたから。大丈夫?」
斗真君はクスクスと笑う。
「あ…ははっ…ごめん!大丈夫大丈夫!」
私は笑ってごまかした。
斗真君は何にも気にしていない様子で笑って、私の頭を撫でた。
「着いたよ」
「うん…」
気づくと、もう私のマンションの前で、それで頭を撫でたんだ…
「未来…」
「ん?」
名前を呼ばれて顔を上げた。
「…っ」
突然、斗真君の唇が私の唇に触れた。
「……」
「じゃあまたっ…」
触れるだけのキスだったけど、斗真君は真っ赤になって照れて帰って行った。
「…っ……」
私は斗真君の真っ赤になった顔を思い出して、そのまま部屋に向かって走り出した。