きみのとなり


キッと音をたてて止まる自転車。




乗っているのは黒髪のボブカットの髪型をした、すごく綺麗な人。



短いスカートから覗かせる足は長くて真っ白。



自転車に座りながらも地面に足が着いちゃってる。




「拓海!おはよ!」




こうやって拓ちゃんにクリクリした目を向けて元気な声であいさつをする。



「おはよ」



「未来ちゃんも。おはよ!」



この人が…



「…おはよう…ございます…」




河野美和



拓ちゃんの彼女だ。




「遅いよー!迎えに来てくれるって約束したのに…」



河野さんは唇を尖らせて怖くない目つきで拓ちゃんを睨んだ。



この顔…好きじゃない。





「ごめんごめん。ちょっと…色々あったから…」



拓ちゃんは申し訳なさそうに河野さんに両手を合わせて謝った。




「…色々って……もしかして未来ちゃん?」



「えっ?」




…いきなりですか……



笑ってるけど心の中ではきっと私のこと


悪く思ってるんだ。



この人は。






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