きみのとなり
第5章
風邪
「38.1度」
私はズビビッとはなをすすった。
「困ったわね~。誰にうつされたの?」
ベッドに寝ている私のおでこにお母さんが熱さまシートを貼る。
「ゴホッ…ゴホッ…!…梢だと思っ…ゴホッ!」
「あら。梢ちゃんも風邪引いてるの?」
私は咳をしながらコクコクと小刻みに頷いた。
「学校ではやってるのね~。12月だものね。困ったわね~、ほんとに。はぁ…じゃあお母さん、学校に電話するから。寝てなさい」
「う゛ー…」
お母さんは「困ったわ~」と言って部屋を出て行った。
「ふぅー…」
キツいな。
…そもそも、私がこんな重い風邪を引いたのは梢が原因だ。
きっと。
いや、絶対に。