きみのとなり
それから1時間目2時間目の授業を終えて、私は元気のない梢にずっと付き添っていた。
「梢~!次美術だよ!行こう~!」
休み時間のたびに机に行っては寝ている梢が心配で私は元気づけようと明るく言った。
「うん。行こ…」
よろよろと立ち上がって梢は歩き出した。
美術は友達と向かい合ってお互いの似顔絵を書くという授業だった。
「ゴホッ…ゴホッ…」
「梢大丈夫?風邪?」
「大丈夫、大丈夫。ハハハ。風邪引いただけ。ゴホッ…」
そう言って梢は笑った。
それから、授業も終わって給食も食べて休み時間はずっと梢と一緒だった。
梢が風邪だったからいつもより一緒にいたんだと思う。
「梢ー、英語のプリントやった?私多分今日あたるから答え合わせしたいんだけど……梢?」
「ゴホッ…ゴホッ…ハァ…ごめっ…ゴホッ…やってな…ハァ…」
梢は顔を伏せたまま言った。