きみのとなり
「まぁ…でも、合宿のときはさすがに男になったけど…」
「ちょっ…!やめてよ!!」
ふふんと笑う梢を私は肘でつついた。
「でも…」
梢が唇を尖らせて斗真君を見た。
「今更かもしれないけど…未来、ほんとに鈴木でよかったの?」
「え?」
私は驚いて、梢の方を向いた。
「ぶっちゃけ、私は…石川先輩と付き合って欲しかった」
「……でも、梢、応援してくれたじゃん」
私はいきなり変なことを言う梢をブスッとして見た。
「応援はしたし、今でも応援してるよ。でも…球技大会のときとか、もしかしたらって思ったんだよね」
「…球技大会」
拓ちゃんが転んだ私をおんぶしてくれたんだっけ…
何年もたったわけじゃないのに…
まるで昔のような感覚だ。
「ま、でも今更何を言っても鈴木と未来はラブラブだしー」
そう言って梢はあははと笑った。