きみのとなり
エレベーターに乗りながら、またあわてんぼうのサンタクロースを口ずさんだ。
斗真君、喜んでくれるといいな。
うわー!ありがとう!
とか言って私をギュッと抱きしめるの。
それで…
「あー!!何考えてるの!私!!」
私は一人で顔を赤くした。
そんなことをしていたらエレベーターが部屋のある階に着いてしまって、私は二回ぱちぱちと頬を叩いた。
「ふぅ。さっむい…」
エレベーターを降りてずびっとはなをすすった。
はぁっと一つ息を吐いたときだった。
「そう言ったじゃない!!」
女の人の怒鳴り声が聞こえてきた。
「ん?」
この階だよね…
何?修羅場??
私は興味津々で、声のした方をそーっと覗き込んでみた。
「え…」
嘘…
家の隣じゃん!!
えー!!
「え?」
家の隣?
って…
「拓ちゃんち?」
私はもう一度確認のために覗き込んだ。
「あ…」
そしてそこにいたのは
「河野さん?」