きみのとなり

ぼーっとして



『幼なじみとか兄妹みたいって思ってたのは俺じゃない』




拓ちゃん



何であんなこと言ったの?



どういう意味で?




ねぇ…



深い意味は、ないに決まってるよね?




だって…




「上原」



だって拓ちゃんは…



「……未来…!」



前の席の梢が振り向いて私を呼んだ。



「…へ?」



「上原。120ページの6行目、読んでくれ。聞いてたか?」



前を見ると佐藤先生が呆れたような顔で私を見ていた。




「あ…はい…!」



私は慌てて閉じてあった教科書を手に取った。




「あ…何ページでしたっけ…」


聞いていなかった私は、佐藤先生の顔色を伺いながら聞いた。



「…上原」



「はい…」



「もういいから。…渡辺、代わりに読んでくれ」



「はい」と言って梢が立ち上がった。




私は、少し恥ずかしくなって顔を伏せた。





「はぁ…」




最悪…






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