きみのとなり
ゆっくりと、インターフォンを押す。
『はい…』
「あ、斗真君?…未来です!」
『あ!はい!今開ける!』
インターフォンから声が消えると、すぐにドアが開いて、中から斗真君が出てきた。
「迷わなかった?」
「うん。大丈夫だったよ!」
「よかった。寒いから中入ってよ。」
「お邪魔します……」
私はそっと斗真君の家へと入った。
「うちの家族、今日から正月までばーちゃんちに行くんだ。毎年俺も行ってたんだけど」
「……あ、私のせいで行けなかった?」
「ち、違うよ!」
「今年は、俺が、未来と過ごしたかったから…」
そう言うと、斗真君は顔を真っ赤にして頭をがしがしとかいた。
「…ありがとう」
私もつられて赤くなってしまったので、それを隠すために俯いてお礼を言った。