きみのとなり
「未来?どうした?」
「っ……斗真君…」
「ん?」
私は携帯をギュッと胸元で強く握りしめる。
「っ……ごめん、私…」
「……」
「拓ちゃんが、風邪引いてて…それ、私の風邪がうつったやつで、熱も出ててでも一人で…だからっ」
「また、石川先輩?」
「……っ…ごめっ…」
「………嘘。意地悪した。うん、仕方ないよ。行っておいで」
そう言うと、斗真君はぽんぽんと頭を撫でて力なく笑った。
「っ……ごめんね!」
私は急いで鞄を持ってマンションへ向かった。
拓ちゃんが待つ、マンションまで。