きみのとなり
バタバタと慌ててお隣へと向かった。
インターフォンを押しても返事もないし足音もしない。
「拓ちゃん!拓ちゃん!」
バンバンとドアを叩くけど返答なし。
そのとき。
バタンッ!
「っ!」
お隣の部屋の中から大きな音が聞こえた。
「拓ちゃん!」
私は自分の家の鍵を開けて急いで自分の部屋のベランダに向かった。
壁を乗り越えて拓ちゃんの部屋のベランダへと乗り移る。
「拓ちゃん!」
窓はいつでも開いている。
急いで部屋に入った。
「ゴホッ…未来?…ゴホッ」
「さっきバタンッて!どうしたの!?」
「ゴホッ…おかゆ、自分で作ろうとしたら鍋落として…ゴホッゴホッ…!」
「お…かゆ?」
なんだ……
「なんだ…私、倒れたのかと……」
「はぁ……ごめん…ゴホッ」
「……ううん。もう私やるから、拓ちゃん寝てて」
「ゴホッ…ありがとう」
私は拓ちゃんをベッドへ寝かせて、お粥を作ったり、スポーツ飲料を用意したりして拓ちゃんの部屋へと運んだ。
「食べれる?」
「うん。置いといて。ありがとう」
「私、自分の部屋にいるからなんかあったら呼んでね」
「……」
「じゃ……え?」
窓から帰ろうとしたら手首を拓ちゃんに掴まれた。