きみのとなり


息切れしながら、公園に行くと、柵に寄りかかりながら携帯をいじる斗真君がいた。



「ご、ごめん!」


私が駆け寄ると斗真君は顔をあげてニコッとした。



「急がなくていいって言ったのに」


「早く会いたかったから…」


「うん、俺も…」


それからなんとなく気まずくなってしまって、なんとか話題を探そうと頭の中で考える。



申し訳なさすぎる。

クリスマス投げ出して、連絡もしないで

クリスマスやり直そうって言ったのも斗真君で。



私、最悪。



「あのさ」


「へ…」


先に口を開いたのは斗真君。



また、失敗だ…。



「俺、別れないよ」


「……」


「未来はそのつもりだったかもしれないけど…」


「っ…違っ!」


「はは…ごめん。酷いな俺…」


「……」


私が黙ると斗真君は、座ろうかと言ってベンチに向かった。



私も静かについていって、ベンチに腰かけた。





< 302 / 338 >

この作品をシェア

pagetop