きみのとなり


教室にいくと、色んな人に囲まれた斗真君がいた。


「未来!おはよ!」


私に気づいた斗真君が笑顔で駆け寄ってきた。


「斗真君。おはよ」

笑顔の斗真君に私もあいさつを返す。

すると、隣いた梢がむーっとして斗真君を睨んだ。

「鈴木最低!私は無視?」


「あ、いたんだ?」


「うわ、最悪!」


朝からこの二人はまた言い合いをしている。


元気だ。


「この二人いつもケンカしてるよな~。いつもみぃたん取り合ってるし!」


二人を見て笑っていると、田中君が呆れたようすでクスクスと笑う。



「元気だよね。」


羨ましいくらいに。



「そーゆうみぃたんは元気ないな。なんかあった?」


「……田中君て、鈍感なようで一番回り見てるよね。」


「ははは!そうかな」


「うん。」


「みぃたんは分かりやすいからなー。……まぁ、たぶん斗真と石川先輩関係だと思うけど。」


「ご名答……」


「俺は斗真のこと親友って思ってるから、できれば辛い思いとかしてほしくないよ。でもさ、やっぱり大事なのはほんとの気持ちだと思うんだよなー」

「……」


そのとき


「おーい、席つけー。終業式だから早めに朝の会終わらせるぞ~」


佐藤先生が来て、そこで会話は終了となった。



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