きみのとなり
「…………」
私……
拓ちゃんに
ほんとは行ってほしくなかった。
河野さんからの電話だって知って、悲しくなってた。
どんなに言い聞かせたって
どんなに目を背けたって
なんだよ。
私……バカじゃん……
本音は
切羽詰まったときに、ちゃんと出てきちゃったじゃん。
「おーい、未来ー?未来ー?って、洗面所にいたのか?てっきり俺はふんばってんのかと思ったぞ。ってどうしたんだ?未来?」
「裕介」
「具合でも悪いのか?おばさん呼んでくるぞ?」
「違うの。裕介。違うの。」
違うの。
裕介、私……
「ずるいのは私なんだよ……」
「未来……」
私、拓ちゃんにそばにいてほしかった。
河野さんなんか放っておいて、そばにいてほしかった。
それが本音だったんだ。