きみのとなり
私は、河野さんみたいになれない。
周りの目はやっぱり怖い。
斗真君と付き合い始めたとき、色んなクラスの女の子に意地悪された。
斗真君と別れたすぐあとに、拓ちゃんと付き合ったと噂になったら。
きっとまた意地悪される。
怖い。
『拓海に対して最低なことしてるし私自身、自分のこと大嫌いになる。』ーー
「……」
怖いけど……
そんなの、私だけじゃないじゃん!
もう、いいよ。
何言われたって、何思われたっていいよ。
拓ちゃんに会いたい。
ちゃんと伝える。
遠回りしちゃった分。
言わなくちゃ。
私は生暖かくなったオレンジジュースを一気に飲み干して、ファミレスを出た。
久しぶりにベランダに出よう。
そう思いながら、マンションに向かって走った。