きみのとなり


お母さんの車で拓ちゃんが運ばれた病院に向かう。



隣には泣き止んでもまだ泣き足りない顔をしている裕介もいる。


私は裕介の手をギュッと握った。



男の子でもまだ小学生だ。



裕介にはたくさん支えてもらったんだから。


私も裕介を支えなきゃ。



「お母さん。拓ちゃん、大丈夫かな…」


「……大丈夫よ。拓海君は強いもの。大丈夫…」



そう言うお母さんの声は、心なしか震えていた。








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