きみのとなり


病院につくと、私たちは拓ちゃんの病室に急いだ。



私は、裕介の手を繋いでお母さんについていく。



病室の前に行くと、ちょうど、おばさんとおじさんが出てくるところだった。



「麻来さん!」


お母さんを見つけたおばさんが驚いて駆け寄ってきた。


「ごめんなさいね~!わざわざ来てもらって!」


「何言ってるのよ~!当たり前でしょ!ご主人も、びっくりしたでしょう。」


お母さんがおじさんにそう言うと、おじさんは少し疲れたような顔で頭を下げた。


「今ね、入院の手続きに行こうと思って出てきたの。よかったら病室入ってて?手続きすんだらまた来るから」


「そうさせてもらうわ。未来…ほら…て、未来!?」



おばさんが入っててと言った瞬間、私は裕介を引っ張って病室に入った。








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