きみのとなり
裕介が出ていって、シンとなる病室。
お母さんたちも、気を遣ってなのか、病室に入ってこない。
「……未来…」
「ん?」
「ごめんな、心配かけて。」
「ううん。大丈夫なの?」
拓ちゃんの頭にはぐるぐると包帯が巻かれていて痛々しい。
「あー、大丈夫だけど頭を少し切ったんだ。それ以外は奇跡的になんともない。」
さっきの裕介みたいにニッと笑う拓ちゃんを見て、私はやっとほっとできた。
「私のせいだよね。私の風邪が原因でしょ。私のがうつってからずっとだもんね。…ごめんなさい。」
「未来のせいじゃないって。ちょっと考え込んでたんだよ。…俺はあいつとは違ってお前に嫌われてるから。怒らせたいわけじゃないのに。怒らせてまた嫌われる。だから、どうしたらいいのか考えてた。」
「私のせいだよ。拓ちゃんのこと避けなかったらそんなふうにはなっておりますなかったじゃん!言いなよ、私のせいだって!私のせいなんだから!」
「違うよ」
「違わないよ!私のせい!ねぇ、拓ちゃん!私のっ…!」
ポロっと涙が零れたとき、拓ちゃんに思い切り腕を引っ張られた。