きみのとなり
「未来。俺、お前をたくさん傷つけた。周りもたくさん巻き込んだ。でも…」
拓ちゃんの瞳がしっかりと私を捕らえる。
「やっぱり、俺には未来が必要なんだ。」
「っ…」
だめだ。泣けてくる。
「未来には俺の隣にいてほしい。好きだよ、未来。俺の隣にいてくれる?」
ずるいよ、拓ちゃん。
こんな状況で。
ずるいよ。
「未来?」
「……うん。お願いします。」
震える声でやっと出た言葉。
それを聞いた拓ちゃんは、ガシガシと私の頭を撫でた。
「あーー!緊張したーー!」
「何それ~!今さら緊張なんてしないでしょ?」
「します~!しばらくまともに口きいてくれなかったし。」
「ごめんなさい。」
「あはは!ガチ反省してる!」
「もう!」
拓ちゃんの本気の笑顔を久しぶりに見た。
あぁ、やっぱり、いいな。