きみのとなり
ふわっと、誰かに撫でられてる感覚がする。
うーん。
夢か…。
今は誰もいないし。
拓ちゃんも……入院してるし……
え?
拓ちゃん?
私は、ガバッと起き上がった。
うとうとして、机に突っ伏して寝ていたようだ。
「あー、やば。寝ちゃったよ。寒い…」
さすがにそのまま寝たのは悪かった。
エアコンをつけようとベッドの横の棚に置いてあるリモコンを取ろうと立ち上がった。
「……」
「気持ち良さそうに寝てたな」
そう言って、くくっと笑うのは
「……なんでいるの…」
「退院だからに決まってんだろ。」
拓ちゃんだ。
「だって…え、だって…」
「今はおばさんは俺の母さんと話してるよ、俺んちで。」
「あ、そう…なんだ」
「やっと退院して、お前に会いに来てみれば。ぐーすか寝てるし。勉強してると思ったけど、そんなに真面目じゃなかったな、未来は」
そう言って拓ちゃんはまた笑う。
「ちょっと遅くなったけど、冬休みは未来の勉強みるって約束だったからな。」
「え!みてくれるの!」
「嫌なの?」
「嫌じゃない!っ…嬉しい!」
私は拓ちゃんに勢いよく抱きついた。
「バッカ!お前。ちょ、退院したばっかりなんだからな!」
「大丈夫って言ったじゃん!」
「あー、骨折れたー」
「最低!」
そうやって騒いでいると、ベランダから窓を叩く音がして、見ると、裕介がいる。