きみのとなり
もうとりあえず、何でもいいからこの何とも言えない具合の悪さを治したい。
「拓ちゃん…助けて…」
私は拓ちゃんのユニホームの袖をキュッと掴んだ。
「拓海!河野とは多分すれ違うし、先生ともすれ違うから連れていってやれよ!」
「……」
拓ちゃんはその言葉に少し悩んでから私の頬にそっと手を当てた。
「もう少し我慢できる?保健室、連れて行くから」
私は今度は首を縦に振った。
拓ちゃんはそれを確認すると、私をおんぶして保健室へと歩き出した。
「っ……ごめんね…拓ちゃん…」
私は涙をポロポロと流しながら拓ちゃんに謝った。
「ごめんね…ごめんね…」
「いいから」
「……」
「いいから…謝んな」
「っ…」
拓ちゃんのぶっきらぼうな、でも優しい言葉に私は
拓ちゃんの肩に頭を乗せて泣いた。