きみのとなり
次の日、私はお母さんに心配されながらも夏期講習へ行った。
飲み物もちゃんと持ったし、大丈夫だもん!
「未来ー!!」
「みぃたん!」
玄関で上履きを履いている時に声をかけられて私は顔を上げた。
「あ…おはよ…」
見ると、そこには梢と田中君、そして鈴木君がいた。
「おはよじゃなくて!あんた昨日高校のグランドの所で倒れたんだって!?」
「あー…うん…熱中症…あはは…」
私は笑いながら髪をいじる。
「…拓ちゃんが…助けてくれたんだ…」
「嘘!良かったじゃん!」
私は喜ぶ梢に首を横に振った。
「なんか…いっぱいいっぱいに…なっちゃったよ…っ…」
泣くつもりなんてなかったのに、みんなのことを見たら泣けてきた。
「上原」
わんわん泣き出した私にみんな困っていたけど、鈴木君だけは違った。
「無理すんな」
頭をぽんぽんと撫でて小さくそう言ったんだ。
そのせいで私は余計に涙をながしてしまった。