きみのとなり
私達は昨日私が具合が悪くなった所へ来ていた。
「やっぱり高校生ってかっこい~」
梢はキラキラした目でグランドにいる人達を見つめる。
「…はぁ」
来てしまった。
バカ…だ
「みぃたん」
「…田中君」
珍しく真面目な顔で私の隣に立つ田中君。
「かっこいいよ、石川先輩は…」
「うん…優しいの」
「うん。その優しさがいけないんだよ」
「え?」
いけないって…どういうこと?
「ねぇ、俺思ったんだけど…」
「…うん……」
私と田中君はグランドを走る拓ちゃんを見つめた。
「……やっぱりいいや!」
「へ…?」
何だそれ
「ごめん!気にしないで!」
「う…うん?」
田中君は私にいつも通りの笑顔を向けてその視線を、またグランドへと戻した。
「みぃたんは、石川先輩のどこが好きなの?」
「…嫌がらせ?」
私はクスリと笑った。
「違う違う!真面目に気になっただけ!」
田中君は慌てて言った。